断面係数とは、部材断面の性能を示す値で、曲げる力に対しての強さや抵抗力の度合いのことを意味しています。一般的に、記号には「Z」、単位には長さの3乗を意味する「cm3」を使用することが多いです。断面係数をしっかりと理解するためには、断面二次モーメントについても理解を深めておくと良いでしょう。なぜかというと、断面二次モーメントを用いて算出した値が断面係数になるからです。「断面係数=断面二次モーメント÷図心から断面の端までの距離」で算出できます。加えて、「応力から計算する方法」と「集中荷重から計算する方法」があります。また、複雑な形をしている部材については、断面二次モーメントを足したり、引いたりした後、断面係数を算出するといった方法が取られる傾向にあります。
その他、構造力学では、たわみの算定に使われるのが断面二次モーメントで、応力度算定に使われるのが断面係数です。両者ともに部材の断面形状が持つ性能を表したものではありますが、断面係数は曲げに対しての強さを示しています。一方、断面二次モーメントは曲げに対しての硬さを示しており、両者には違いがあります。どちらも覚えておくことで、片方がわかればもう一方も求められるというメリットがあります。
【参考動画】
こちらの動画では断面係数について解説されています。