建築でいうところの寄り付きとは、建物に入るために利用される空間のこと。
もともとは茶道で使われていた言葉で、客が茶室に入る前に待機する場所を表す。待合と呼ぶことも。
屋外に設けられたり、茶室の隣の部屋を寄り付きとして使用したりする。茶道の客が寄り付きに入ると、茶道と関わりのない荷物をしまい、身支度を整える。
現代では、茶室以外に使う一般の建物にも寄り付きが付属するようになった。建物に入るためのアプローチ部分を寄り付きやポーチなどと呼んでいる。
建物の凹型にへこんだ場所や間口の片側が欠けたような部分を寄り付きとして使用する。屋根はあったりなかったり。
ポーチの中でも、建物の外壁に大きく凹んだ空間を造り、そのくぼみの内側に玄関ドアを設けたものを寄り付き型ポーチと呼ぶ。建物の入り口部分で、建物の屋根とは別の庇がある、建物の外壁から突き出しているものは庇型ポーチ。
建築基準法では、通行専用の寄り付きを床面積には含めない。ただし、車庫や作業場などに使用している場合は床面積に含まなければならない。
建築面積(建坪)には寄り付きを含める必要がある。ただし、庇を支える柱がない場合、外壁から突き出した庇の長さが1m以下であれば建築面積から除外される。