建築物を支えるうえで、在来工法のなかで梁と並んで重要なのが柱です。柱は地面に対して垂直に立てます。主な役割は屋根や上階部分が落ちてこないように支えることです。

柱の役割によって呼び方も変わります。たとえば、建築物の中心に据えられる柱が大黒柱です。そして、門を支えるのは門柱、床の間を飾る床柱という具合です。古来、柱の材料には木材や石材などが中心的に使われてきました。近年は鋼材やコンクリートなども使われるようになっています。

柱の数が多いほど頑丈になると思っている人が多いことでしょう。しかし、必ずしもそういうわけではありません。適当に多くの柱を立てても、部分的に強弱の差が出てしまいます。

すると、弱い部分に負担が出てしまうようになるのです。そのような状態で大きな地震が発生すればどうなるでしょうか。弱い部分から崩れてしまうことでしょう。建築物全体のバランスを考えて柱を設置することが大切なのです。そもそも不必要な柱にスペースが取られてしまうと邪魔です。理想的には、1間おきに1本の割合が良いと言われています。

最近は古民家をリノベーションする方が増えています。部屋を繋げて広くする場合、柱が気になることでしょう。柱を撤去しなければならない場合、上部を支える力が弱まります。このような場合には梁のサイズを大きくします。あるいは、壁の中に柱に代わるものを入れることもあります。このように、構造上問題がないように補強する必要があります。