「フェイシング」(facing)にはもともと「衣服の縁取り」「商品陳列」「化粧仕上げ面」など、さまざまな意味がある。「フェーシング」と表記されている場合もあるが、「フェイシング」と意味は同じ。
建築においても、さまざまな場面で「フェイシング」(フェーシング)という言葉が使われている。サッシには、ガラス溝を前面に配した「フェイシングフロント」と呼ばれるものがある。建設機械には、「クラッチフェーシング」と呼ばれる摩擦材が使われている。
原子力発電所においては、「フェーシング」(フェイシング)と呼ばれる工事を実施する。敷地内の法面などへモルタルを吹き付けるなどして被覆する。放射線量の低下や雨水の浸透防止などが目的である。
「アスファルトフェイシング」は、ダムに使用される工法の1つである。漏水性が高い岩盤を厚さ30cmのアスファルトで覆うことで遮水壁を形成し、ダムの建設が可能となる。火山性堆積物の岩盤などで採用されている。
「フェーシング加工」(フェイシング加工)とは、機械や電気化学的作用の力で工作物の表面を平坦にする加工方法である。鏡面加工とも呼ばれる。建築で用いられている一例として、免震装置と鉄骨を接続する際にフェーシング加工を施すことがある。