屋外広告士とは、屋外広告に関する総合的かつ専門的な知識、および技術を有すると認定された資格です。屋外広告物の製作・施工に携わる業を営む場合には、この資格に合格した者を「業務主任者」として、「屋外広告業登録」を行う必要があります。
屋外広告とは、常設または一定の期間、継続的に屋外へ掲示する広告のことです。建物の壁面や道路沿いに設置する看板、広告塔といった大型のものから、電柱や街路灯、消火栓などに掲示する小型のものまで、規模はさまざまです。また、のぼり、ポスター、立看板、アドバルーンといった昔ながらの広告や、LEDビジョン、ラッピングバスといった新しいスタイルの広告も屋外広告物にあたります。
これらの屋外広告物は、自由に設置できるわけではなく、都道府県や市区町村の条例によってさまざまに規制されます。設置禁止または設置に許可が必要な区域、設置できない建物などが定められているほか、大きさや色にも規格があります。地域の景観などにそぐわない場合や公衆に悪影響を及ぼすものも規制対象です。また、落下などの危険防止のため、安全管理も義務づけられています。高さ4mまたは面積が10㎡以上の屋外広告は、屋外広告士や一級建築士などの有資格者を管理者として置かなければなりません。
屋外広告士は、多様な規制について精通し、法令を遵守することが求められます。資格認定試験は、一般社団法人日本屋外広告業団体連合会が、年に1回実施しており、受験資格は18歳以上で屋外広告の製作・施工実務を3年以上経験した人です。1・2級建築士や1・2級施工管理技士(建築・土木)の有資格者は、学科試験の一部 (設計・施工)や実技試験を免除されます。